明治学院大学法学部 公式ブログ

明治学院大学法学部の最新情報を発信中!2020年4月法律学科法曹コース開設 2018年4月「グローバル法学科」開設

先日、法学部4学科の就職先データが更新されました。
IMG_2010

就職内定者業種別比率・主な就職先(2020~2022年度)
※グローバル法学科は卒業生を輩出する2021年度より主な就職先、就職内定者業種別比率(%)を公開しております。


法律学科
JU 144312


消費情報環境法学科
JC 144339


グローバル法学科
JG 144405


政治学科
JP 144427

明日は夏至ですね。今回は、韓国・ソウル市立大学で交換留学中の法学部生から留学レポートが届きましたのでご紹介します。

* * *

こんにちは。
韓国のソウル市立大学で交換留学中の法学部消費情報環境法学科の3年生です。

韓国の大学は新学期が3月から始まるので6月中旬で1学期が終わり、夏休みに入りました。ソウルは日本と標準時子午線がズレているのですが、時間は同じなので夜になっても明るいです。
夏はさらに日が長くなり遅い時間でも外が明るく時間感覚がなくなりそうになっています。

image1
これはトゥクソム漢江公園で午後8時ごろに撮った写真です。

image2
韓国ドラマで見て憧れだった、川辺で辛いラーメンを食べるというのを友達としてみました。

そして、せっかく韓国で留学しているので韓国と北朝鮮の間にある非武装地帯のDMZのツアーに行ってきました。

image3
これは、戦争によって家族が朝鮮半島内でバラバラになってしまった離散家族に関するモニュメントです。


image4
これは、北朝鮮が韓国に向けて秘密裏に掘っていたトンネルを見学した際に見た憲兵の像です。トンネル内には携帯を持ち込むことができず写真は撮れませんでした。

image5
展望台から見た北朝鮮側の景色です。真ん中の細長い棒に国旗が付いていました。
双眼鏡で覗くと自転車に乗っている人や歩いている人が見えました。数キロメートルしか離れていないのに全く違う雰囲気でした。

image6
見学できるスペースのすぐ横に地雷の警告がありました。

image7
バディの韓国人学生に青瓦台にも連れていってもらいました。ここは、韓国の歴代の大統領が暮らしていた建物でアメリカのホワイトハウスのようにブルーハウスと呼ばれています。応接室のような場所も見学したのですがインテリアがとても豪華でした。

ビザ無しで渡航が可能になり韓国に旅行に来る人も多いと思いますが、興味があったら今回紹介した漢江やDMZツアー、青瓦台にぜひ行ってみてください。
韓国に着いて最初の頃は日本との違いにストレスを感じたり、日本食が恋しくなることもあったのですが今では新しい友人にも沢山出会うことができ、色々な新しい経験もできて充実した留学生活を送れています。あと半年しか残っていませんが残りの留学生活も友人達と楽しみたいです。

法学部グローバル法学科が、『留学ジャーナル』最新号の特集「日本を拠点に海外の学びを経験できる~グローバル教育に強い大学」で取り上げられました。

IMG_2169


IMG_2171

IMG_2170

記事の内容はwebでも公開されています。
ぜひご覧ください。

また、最新の大学案内
法学部パンフレット
グローバル法学科リーフレットもwebで公開中です。

紙媒体の資料請求はこちらから。

本学法学部を卒業し、現在、英国の大学院に留学中のTさんから留学だよりの続報が届きましたので、ご紹介いたします。

* * *


イギリスのブライトンから留学だよりをお送りします!
前回の投稿から半年ほど空いてしまったので、今回は2023年1月から最近までの生活についてお伝えしたいと思います。

1月上旬に1ターム目の課題を提出し、半月ほどの冬休みに入りました。そこで、ウィーン、ハンガリー、チェコ、イタリアを旅行しました。イギリスからヨーロッパ諸国への航空券は往復でも数千円で、行くなら今しかないと旅行を決めました。ウィーンでは、日本でも有名は画家グスタフ・クリムトの作品「接吻」を観たり(この作品は国外不出だそうです)、オペラを鑑賞してきました。
image1

ウィーンはオーストリアの首都でありながら、とてもコンパクトで雰囲気も落ち着いており、首都感を感じさせない素敵な街でした。その後は、ハンガリーの首都ブダペストを訪れ、夜景が有名な国会議事堂などを観光しました。
image2

1月末からは、2ターム目が始まりました。2ターム目は、自らの関心に合わせて2つの授業を履修することができ、教授らが過去に行った研究など事例を用いて講義を進めて下さり、より学びを深めることができました。

授業がない日は、たまにロンドンに出掛けてミュージカルを鑑賞したり、ブライトンのビーチに行ったり、大学から電車で30分以内の場所にあるセブンシスターズ(白亜というチョークの原料でできた絶壁)にハイキングに行く等して、リフレッシュしています。セブンシスターズは、ハリーポッターの映画「炎のゴブレット」に登場しているようです。
image3

image4

また、イギリスの紅茶文化に私も徐々に染まってきており、一日に一度は紅茶にミルクを入れて、飲んでいます。たまに街のカフェを探して、クリームティー(スコーンと紅茶のセット)を食べ比べるのも楽しみの一つです。
image5

現地では、クロテッドクリーム(バターと生クリームの中間のようなクリーム)と苺などのジャムが一緒に提供されるのですが、クリームを先に塗るか、ジャムを先に塗るかを巡って議論があるようです。ちなみに、私はクロテッドクリームを先に塗る派です。
実は、大学のキャンパスの真隣が、日本の三笘薫選手が活躍しているBrighton & Hove Albionというサッカー(現地ではフットボールと呼びます)のプレミアムリーグに属するチームのホームグラウンドであり、一度試合を観に行きました。この日はロンドンのWest Hamとの対戦で、三笘選手もゴールを決め、ブライトンが4-0で圧勝しました。
image6

今年の5月末に2ターム目の課題を提出し、残すは修士論文の執筆となりました。8月末までの3ヶ月間で15000字の論文を執筆するため、先月には研究計画書を完成させ、現在は資料収集やドラフトの作成に取り組んでいるところです。

普段は図書館や自室で勉強に取り組んでいますが、第二外国語で修士号を取得する難しさを日々感じています。特に冬の間は夕方4時には空が暗くなるなど、日がとても短く感じ、一日中課題に取り組むなか、心が折れそうになりました。しかし、オンラインでも修士号が取れるこの時代に、海外に行ったからには学問だけでなく、友人や地域の方々との交流など社会経験も大切にして楽しみたいと考え、勉学と娯楽のバランスが取れるように様々チャレンジしています。

今年の1月からは、ブライトン市のオーケストラ2団体に所属しています。1つは5月に演奏会を終え、もう片方のオーケストラでは6月の定期演奏会に向けて、日々練習に励んでいます。大学以外に所属できるコミュニティがあることは、私の心の拠り所となっています。
image7

残りの留学生活も残すところあと3ヶ月です。勉学を続ける途中、辛いと思うことは何度もありますが、興味が湧く時、そして研究を進めるなかで当初と自分の意見や考えが変わる時、改めて学ぶことの面白さを感じます。修士論文は自分との闘いになりますが、常に自分の興味、関心に貪欲に最後まで精進したいと考えています。
image8

 

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』が今年2023年5月12日から公開されました(中の人は、残念ながらまだみていないのです)。2015年夏に書いた記事を再再々掲載します。


先日環境関係の外部研究会で報告をして報告と議論が終わった後、「今日の話題は法学徒としては燃えますね」とある先生からお声をかけていただきました(この先生、偶然なのですが大学のサークルの大先輩です)。「法学徒」=法律を学ぶ学生=法学部生、私の時代でも死語でしたが、いい響きですね。
「法学徒」のみなさん、法学徒を目指す皆さんに、推薦アニメを。

「PSYCHO-PASS」 2012年に第一期、2014年に第二期がテレビで放映されました。第二期終了に合わせて劇場版も公開されました。

舞台は、2112年の日本。内容は刑事物です。未来ものですがモビルスーツも想像上の武器なども登場しません。テクノロジーも現在私達が知っている技術の延長線上にある程度のもの(自動走行システムとかドローンとか)で、そこら辺が妙にリアルです。

全く違っているのが社会システム。2020年に新自由主義が世界を席巻し、各国の政府は機能停止し経済力と武力という実力が支配し、社会秩序はあれまくっているという設定。その中で日本は幾つかの先進的テクノロジーを背景に鎖国を実施し、世界で唯一法治主義を保ち「理想的な」社会秩序が保たれている…。

何を書いてもネタバレになるので紹介が難しいのですが、法学徒の皆さんに身近なところで、このアニメのキーワードになっている「犯罪」概念についてだけちょっとお話ししましょう。

この社会ではシビュラシステムという無謬ないし誤りを自動補正する公平な判断システムにより実質上統治されていて(政治家も議会も役人もいるようですが、具体的な判断はシビュラシステムが行い、人間でないとできない作業を役人組織が実施しているようです)、このシステムで個人の精神的傾向を客観的に測定することが可能になっています。人の犯罪傾向も数値化(これをサイコパス=犯罪係数と呼んでいる)され測定可能で、この数字が一定水準を超えることが「犯罪」です。まだ具体的な犯罪行為を行っていなくても、測定・判断・執行器具である「ドミネーター」が「犯罪」を認定し、執行します。このドミネーターを捜査の現場で扱うのが「厚生省公安局」所属の刑事、監視官と執行官です(主な登場人物、第一期の主人公、第二期の主人公も刑事です)。なぜ「警察」「司法」の省庁でないかというと、「犯罪」は精神の病でもあるので国民の健康を管轄する「厚生省」に刑事がいます。

そうです。この社会では近代刑法の原則である「行為主義」はその役割を終え、主観主義刑法学の犯罪概念「人の精神の有り様」が犯罪であり、これを矯正し社会防衛を図るため、刑事責任システムは存在します。「人の精神の有り様」は裁判官には分からないので客観的に行った犯罪行為や状況から犯罪を捉えなければならないというのが主観主義新派刑法学の一つの矛盾だったのですが、「人の精神の有り様」をぶれなく、把握できるシステムがあるお陰で新派刑法学が貫徹可能なのです。因みにこの社会では裁判制度は執行停止状態になっています(民事法を学んでいる者としては民事裁判はどうなったのかが気になるところですが、出てきません)。
IMG_0218

(刑事物ですが、こんな法廷は出てきません、というより「ない」)
この物語、社会科学の基本的な文献の正確な理解の上に成り立っていて、マックス・ウェーバーやミッシェル・フーコーの著作の要点がうまく引用されており、その数は10を超えています。そして何よりこの物語の設定は絵空事ではなく、今の社会や政治システムの動きを考える上で重要な問題提起をしています。
紹介・解説すると全部ネタバレになるので残念です。

こう書いてしまうとつまらないように思えるかもしれませんが、何も考えずに見て「すごく面白い」です。毎回興奮できます。刑事物としても良くできています。総監督は「踊る捜査線」の監督として著名であり、脚本虚淵玄は「魔法少女まどか・マギカ」でその才能を見せつけた鬼才、エンターテインメントとして傑出しています。

法学徒のみなさんに是非見ていただきたいのは、第二期で成長した主人公「常守朱」が悩みながらあるべき社会を考え始めるところ。でも、お話は第一期から見て下さい。

人気なのでレンタルDVD屋さんにまだおいてあると思います。「旧作」になっていると思うのでお手軽に全編鑑賞できると思います。多くの学生さんは「知ってるよ」かもしれませんが、アニメにほとんど興味がないという学生さんに是非見ていただきたいです。皆さんの夏休みはまだまだ続くので、お暇なときにどうぞ。

         (M.A.)

(2020年再再掲時のコメント)
記事を書いて3年半たった2019年1月にも書きましたが、「2020年に新自由主義が世界を席巻し、各国の政府は機能停止し経済力と武力という実力が支配し、社会秩序はあれまくっているという設定」は、現在の社会階層分断と国際緊張をみると、このとき以上に笑えないリアリティを感じます。人間の尊厳・自律と秩序を語る権力との相克は、国内外の様々な問題を見る度に考えさせられる問題です。

ところで、自問自答で恐縮ですが、サイコパスの世界で民事裁判を起こすような人間はトラブルで色相が濁りきっているので、多分執行対象ですよね。しかたがって民事裁判は不要、ということで。因みにこの物語の世界では、「大学」は廃止されており、社会科学は御法度扱いで、自分を社会から隔絶することで身の安全を守る「犯罪学者」が登場します。


このブログは、1年半経った記事は削除するルールにしており、再掲した記事も削除対象になりますが、この記事、なぜか、ブログ内の高ヒット記事にずっとランクインしており、そのほとんどがグーグル検索から飛んできています。読んで下さる方がいらっしゃるなら、ということで、再々掲しました。
迷い込んで入らした方、よろしければほかの記事もお目通しいただけると嬉しいです。

(2023年のコメント)
AIが存在感を増し、人が裁く裁判の煩わしさ、危うさに頼るよりも、AIに紛争解決をさせてみる試みが始まったようです。東京大学の文化祭で先日行われたAI模擬裁判サイト。当日のリアルタイム配信のYouTube動画も視聴できます。

シビュラ類似のシステムに依存する社会も現実の選択肢の一つにまで近づいているのかもしれません。

AI刑事裁判の実施には、多くの議論を経て法改正が必要ですが、民事についてはもっと早くAIによる紛争解決が行われる可能性があるでしょう。
現在紛争を抱える当事者は、弁護士や社内法律家の見解を聞いて対応していますが、裁判をやってみて出る結論が予め高い確率で正確に出るのであれば、裁判を利用せず、その内容で交渉和解することも選択肢の一つになります。また、紛争両当事者の紛争解決を請け負うAI-ADR(裁判外紛争処理機関)が公正性を確保する仕組み(おそらくは技術的に制約をかける方法で)を確保して設置できれば、これを利用することで、当事者は、コストと時間がかかる民事裁判を回避し、さらに弁護士に依頼するコストも削減して、お互いに満足する結論に至ることもできるかもしれません。

その時、法学徒は必要なのか。おそらくは今以上に必要になると予想しています。
明治学院大学法学部には「AIと法」という科目があります。来年度「情報数理学部」が設置され、さまざまな協働が行われることに個人的に期待しています。

学生さんや外部の方から再掲のご要望をいただき、調子にのって載せてみました。

さあ、君も法学部に入って、「法の支配(rule of  law)」を人の力で実現しようともがく常守朱になってよ。







 

↑このページのトップヘ