学生のみなさんは、オンライン授業にもそろそろ慣れてきた頃かと思います(私は慣れません)。
学生さんから、裁判員裁判は刑事事件だけを対象にしているが、陪審juryもそうなのかとの質問がありました。

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写真は、白金校舎の模擬法廷 大学案内の法律学科ページから

いいえ、アメリカの多くの州では民事裁判にも陪審制度があります。陪審員jurorが損害賠償事件の事実認定、請求の可否の判断を担当します。民事でも、陪審員の選択や陪審員への証拠の開示方法、説明方法は、弁護士の法廷戦略上大変重要で、腕の見せ所のようです。この背景には真実を発見する能力において職業裁判官と市民とに違いはない、むしろ多くの者が関わる方が優れているとの考え方があると思われます。

映画の中でアメリカの民事陪審が主題となっているものがいくつかあります。今となっては両者ともかなり古い映画になりますが、下記の2作品をお勧めします。
『評決』(1982年 主演:ポール・ニューマン) 
英題:The Verdict
医療過誤訴訟もの。証人をめぐる駆け引きがみどころ。

『シビルアクション』(1999年 主演:ジョン・トラボルタ) 
英題:A Civil Action 
土壌汚染もの。実際にあった訴訟に基づくドキュメンタリー的小説が原作。

書き出すとネタバレになるので騙されたと思ってお暇なときにどうぞ。

グローバル法学科の1年生は基礎演習で裁判員の章を勉強しているところだと思います。テキストのpassageで裁判員制度と対比されているcriminal caseのjuryを題材にした名作として、
12人の怒れる男(1957年 英題:12 Angry Men)があります。こちらは定評があり、必見です(評議室でおじさん達がひたすら話しているという、エンタメやドラマ要素は全くない映画ですが)。


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横浜キャンパス8号館

ところで、陪審員は市民から選ばれます。10数年前の在外研究中に州の裁判所からjuryの召喚状Summonsが送られてきました。合衆国市民権を持っていない私には陪審員になる資格はないのですが、どうも運転免許登録のデータベースから無作為抽出した者にこれを送っているようなのです(前の住人宛のもの2度ほど届きました)。合衆国市民は出頭する義務があり、そのあと裁判所により資格がチェックされ候補の名簿が作成され、そこから、民事であれば原告・被告の代理人弁護士、刑事であれば検察・刑事弁護人が陪審員選任選びをすることになるようです。無駄足でも行ってみればよかったかな、とちょっと後悔しています。